COLUMN

2025/12/21 10:44

結婚指輪やジュエリーを探していると、よく見かける「K10」や「K18」という表記。
数字の違いでどんな差があるのか、少し気になりますよね。

この記事では、MOUVでも採用している2種類の素材について、初めての方にも分かりやすくご紹介していきます。

K10、K18とは?数字が示す『金の純度』

「K10」や「K18」の“K”は、カラット(Karat)の略。
金を24分割したうち、何分が純金かを表しています。

たとえば
・K10=10/24が純金(約42%)
・K18=18/24が純金(約75%)

残りの部分には銀や銅、パラジウムなどが混ぜられており、この配合によって色味や硬さが変化します。
2種類それぞれの特徴について詳しく掘り下げていきます。


強度について

永く身に付ける指輪だからこそ気になる強度。
実はジュエリーの「強さ」は硬さだけでなく、しなやかさ(靱性)や変形のしにくさも関係しています。
K10とK18には、それぞれ異なるバランスの良さがあるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。

K10(10金)
・硬くて変形しにくいのが特徴で、日常的に身につける結婚指輪でも形を保ちやすい素材です。
・日常的に身につけるリングでも形を保ちやすく、細めのデザインにも向いています。
・発色はやわらかなパステルカラー調で、他の素材ともバランスよく馴染みやすいのも魅力のひとつ。
・近年続く金相場の高騰の中でも、素素材コストを抑えやすく、ご予算内でオーダーメイドの結婚指輪を検討しやすい。

K18(18金)
・柔らかくしなやかで、加工しやすい素材。
・鮮やかな発色で存在感のある色味を楽しめます。
・表面はK10に比べると小傷が入りやすい傾向ですが、磨き直しで元の輝きが戻ります。

いずれの素材も、MOUVのリングのように鍛造製法でお仕立てすることで、日常使いに十分な強度を備えた指輪となります。


色味の違い

K10とK18は、見た目にもニュアンスの違いがあります。
写真で見比べながら、色味の違いを感じてみてください。
左から
(K10) ライトゴールド:淡いイエローとほんのりと赤みをを帯びた色合いで、上品で落ち着いた印象。
(K18) イエローゴールド:金の割合が多く、深みと温かみのある華やかな色味。

(K10) グリーンゴールド:グリーン寄りの淡く明るい色合いで、落ち着いた軽やかな印象。
(K18) ライムゴールド:黄色味がやや強まり、肌に自然と馴染む華やかさがあります。

左から
(K10) ブラックゴールド:墨色のような濃いグレーの色合いで、ホワイトゴールドよりやや青味がかった印象。
(K18) ホワイトゴールド:金の割合が多く、ほんのり黄色味を感じる温かみのある穏やかな色味。

(K10) ライトピンクゴールド:淡いピンクがやわらかい色合いで、肌馴染みも良い印象。
(K18) ピンクゴールド:華やかで品のある濃いピンクが目を惹く色味。

このように同じゴールドでも純度の違いによって色味が変わり、光の当たり方や肌との相性でも印象が異なります。
MOUVでは店頭にて実際の素材見本をご覧いただけますので、写真では伝わりにくい質感の違いも手に取って比較していただけます。

お手入れは必要?

K10は硬くて丈夫な素材ですがK18と比べると純金の割合が比較的に少ないため、
環境や体質によってはわずかに変色することがあります。
ただし、指輪の耐久性に影響するものではなく、日々使う結婚指輪としてはお手入れは不要です。
毎日着けていると生活の中での自然な摩擦で表面が磨かれていることも多く、変色防止のケアは不要なのです。

長期間着けない場合には、指輪にハンドクリームや香水などが付着したままにならないよう、リングを外した後にやわらかい布で軽く拭いていただくだけで変色を防ぐことができます。

もし気になるくすみがある場合は、MOUVのクリーニングや磨き直しなどのメンテナンスで元の輝きを取り戻せます。
万が一、明らかな変色が見られる場合には、無償でご対応させていただきますので、ご安心ください。



アレルギーについて

結論からお伝えすると、ほとんどの方は金属アレルギーを過度に心配する必要はありません。
金属アレルギーは体質による個人差がありますが、
一般的には「ニッケル・コバルト・クロム」が主な原因になることが多いとされています。
MOUVで使用している素材には、これらの金属は一切含まれておりませんので、ご安心ください。

MOUVで使用しているK10・K18は、主に「金・銀・銅」を中心とした合金です。
金や銀は、金属アレルギーを起こしいにくい素材として知られており、多くの方にとって安心して身につけていただける金属です。

ご心配な場合は、事前にパッチテストなどで確認してから素材をお選びいただくことをおすすめします。
検査結果をもとに、反応のなかった金属のみを使用してお作りすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

K10とK18は、どちらも長くご愛用いただける魅力的な素材です。
毎日身につけるものだからこそ、自分の肌に合う色や、色そのものを楽しんでいただきたい想いから、素材の配合を微調整し、カラーバリエーションをたくさんご用意しています。
MOUVでは7種類の素材をベースにさらに淡い色味の新色を加えた全11種類のカラーがございますので、ぜひお好みのカラーでおふたりらしい一本をお選びください。


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監修者:渡部 熊洙(ワタナベ ウンス)

ジュエリーショップを営む両親の影響を受け、2002年より宝石鑑定と彫金を学び、ジュエリー専門学校および武蔵野美術大学を卒業。表参道のウェディングリングブランドで職人としての約8年間経験を重ね、独立。
現在はMOUV自由が丘店・吉祥寺店を営んでいます。
これまでに4,000組以上の結婚指輪づくりに携わってきた経験を生かし、
指輪選びに役立つ知識や、ジュエリーの奥深い魅力をお伝えしています。